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    <title>ムニャラモネくらいの大きさの</title>
    <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com</link>
    <description>ムニャラモネくらいの大きさの・小説更新情報</description>
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      <title>臓腑爆裂パールボム事件 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/40579</link>
      <pubDate>Tue, 19 May 2026 22:15:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[ある日礼典は爆音ボイスで叩き起こされた。

日の出すぐで太陽もまだ低いというのに愛しの人魚の声はズンズン五臓六腑に響き渡り、部屋中の窓ガラスという窓ガラスをびりびり揺らし、駅前の方角からは断続的に爆発音が起こっている。

「……ライデン、行っておいでよ」
「おう」

どのみちこの状況で朝食でも洒落込んだところで響き渡る爆音に胃を揺らされて即座に吐き出すハメになるのだ。
同居人の無言の圧力に押し出され、礼典は寝巻にサンダル姿で愛しの人魚のもとへ急ぐのだった。

そして彼が駅前の噴水広場に到着したとき、そこには既に人だかりが出来上がっていた。

「すみません、通ります」

掻き分け掻き分け最前列へ出ると、噴水の縁に腰掛けてしくしく泣く人魚・月子の姿があった。
しかし、群衆だれひとりとして彼女の身に何があったのか訊ねようともしない。それどころか噴水から距離を取って遠巻きに眺めつつ、じりじりと後退...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>正月 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/40578</link>
      <pubDate>Tue, 19 May 2026 22:12:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[来たる蛇花町の元旦、朝十時過ぎ、未だ周囲は暗く日の出は遠い。

いくら冬の朝が遅いとはいえもうじき正午も迎えようかというこの時間帯にまだ真っ暗なのは珍しい……というより完全に異常事態そのもので、高台の展望公園に集まった面々も流石にこれは暢気に出店のベビーカステラを貪っている場合ではないと気が付きはじめたころだった。

「おひさま見当たらないわねー」

お気に入りの望遠鏡で地平線、水平線を眺めながら陸に上がった人魚・月子がふんわりした口調のままその場の面々に報告している。

「わたしは可愛いポリ公乙女！町の異常事態はわたしにお任せ！ちょっとライデンちゃん全裸になってよ。ハンコ押さないから」
「なんで」

以前に町中で全裸になり犯罪のハンコを貰った経験のある人間の青年・礼典は帽子の下で苦い表情を浮かべている。
それは小さな小さな鳥の乙女・ララルノにとっては丸見えなので、隠したところで無駄だった...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>礼典 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/40043</link>
      <pubDate>Mon, 20 Apr 2026 00:36:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[礼典が蛇花町に移ってからずいぶん経った。
今は友人・慈の家に転がり込む形に収まっているがいずれ出て行く予定だった。しかし仕事もしていない今は貯金も徐々に減っている。
そういうわけで今日の礼典青年は噴水広場のベンチで駅舎から取ってきた求人募集の冊子を広げていた。

「らーいでんっ！なあにしてるの？」
「バイト探しだよ。いつまでもアイツに世話になるのも良くないからな」
「ふうん……ばいとってお花の仲間？」
「仕事仕事。働いて金貯めて、独り暮らしするんだ」

退治屋くんのお手伝いでいいじゃない、と陸に上がった人魚・月子は唇を尖らせる。

「よくないよ。アイツも利益ないし、給料払えって言える状況じゃない」
「ふーん。らいでんはどんなお仕事したいの？」
「どんな仕事にしようかな……」

転居二日目にして墓場にぶち込まれた経験に比べたら彼にとって拘束時間十二時間の週七勤務でも大した負担ではない。
万年...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>怪物退治屋 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/40030</link>
      <pubDate>Sat, 18 Apr 2026 14:55:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「なあ、オマエ最近どこ行ってるんだ？」

礼典は今日も今日とて何処かへと出かけようとしていた友人に問いかけてみる。そして怪物退治屋・慈は「オレ？」と素っ頓狂な声をあげて足を止めた。
慈は僅かに眉を寄せているが、出がけに声をかけられて腹を立てているわけでもなく、ただただ不思議そうな表情を浮かべている。

「前にスイにおつかいを頼まれた時に言ってたぜ、兄ちゃんが全然墓参りに来ないって。なのにオマエ毎日どっか出かけてるだろ。どこ行ってるんだ？」
「お仕事ー」
「うそつけ」

ふにゃんと柔らかい笑みを浮かべて慈は答えるが、礼典に一蹴されて、ふっ、と表情を引き締める。

「嘘じゃないよ。怪物退治業さ」
「変態は先生に叱られて今は大人しくしてるし、それでガールズはちゃんと学校に行ってる。ツキコは俺が見てるし、弟くんは死者の領域から出られない。何も問題ないだろ」

礼典青年が転居してきた直後の、変態と人...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>蛇花町ガールズ - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/38848</link>
      <pubDate>Sat, 28 Feb 2026 13:01:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[お世辞にも治安が良いとは言えない蛇花町だが、こんな所にも学校は存在している。
礼典青年が蛇花町に転入したときはちょうど変態騒動の真っ最中のため休校しておりどの教室にも明かりは灯っていなかったが、先日変態の親玉が墓下へ葬られたことで治安が改善されて無事に学校も授業を再開していた……のだが、礼典青年が墓下の埋葬フレンズどもを解放したことでいまは再び休校状態に逆戻りしていた。

「……アンタのバードがまた学校サボって自警団ごっこを始めてる。なんか思う所はないのか」

今日も今日とて噴水広場で愛しの人魚を待っていた礼典青年の前に現れたのは埋葬フレンズの蜘蛛男。流石に服は着ているものの、ガスマスクに分厚い軍用コートといった出で立ちはそれはそれで怪しいもので、明らかに周囲から距離を取られているのを肌で感じながらも青年は事態の好転のきっかけを探っていた。

「元気があってよろしいっすねえ」

しかし、青...]]></content:encoded>
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      <title>変態 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/38076</link>
      <pubDate>Tue, 20 Jan 2026 13:56:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[礼典が奈落の底から帰還してからというものの、町には再び変態どもが姿を現していた。
それにより学校帰りの少女たちへのお声かけ案件、下着泥棒に盗撮、野外露出案件が急増し警察も大忙し……かと思いきや、変態どもは警察すら避けて通る相手。かつてのポリ公バードが懸念したように蛇花町の治安は悪化の一途をたどっていた。

「ライデンちゃんも気をつけなよ。案外カワイイお顔をしてるって蜘蛛のおっさんが言いふらしたから皆興味あるみたいだぜ」

やれやれと怪物退治屋の青年・慈が小さく肩を竦める。涼し気な雰囲気の男前である彼は変態どもから目の敵にされており、こうして事あるごとにせっせと嫌がらせをされているのだ。

「…………その情報で俺にたどりつけるヤツがいるのか？」
「わかんね」

透明なプラスチックのコップに映り込んだ自身の顔をまじまじ眺めながら礼典青年は首を傾げていた。
母親似であることは幼い頃からよく言われ...]]></content:encoded>
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      <title>怨霊 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/37563</link>
      <pubDate>Tue, 23 Dec 2025 20:12:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[礼典が墓の下から脱出したのをきっかけに、密かに設置されていた地上と地下を行き来するエレベーターの存在も公のものとなった。しかし、礼典の同居人である怪物退治屋・慈は自分の一族の墓にエレベーターが設置されていると知っても直接死者の世界へ降りることはなかった。

――別に、ここまでなら生きてる人が入ってきても大丈夫なんですけどね。

奈落の底へ続く深い縦穴の脇に設置された木組みの簡易エレベーターホール。そこを訪れた礼典の頭の中に少年の声が響く。
声の主は慈がずっと気にかけてきた弟・彗のものだ。既に幽霊となったその身体は礼典の目には見えないが、こうして声だけは頭に直接届けることで霊感の無い青年にも聞こえている。
だが少年の至って明るい口調に反して奈落の淵は酷く暗い。このエレベーターは住民が利用する目的で設置されていないことは明らかで、定期的にここを訪れる者は礼典くらいだった。

――それで今日はど...]]></content:encoded>
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      <title>人魚 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/36878</link>
      <pubDate>Sun, 26 Oct 2025 18:15:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[ちゃぷ、と噴水に溜まった水を掬い、重ねた手を僅かにずらしてぱらぱら……と流す。

「…………」

今日の人魚・月子は気だるげに噴水の縁にしなだれかかって、ぱらぱら……ぱらぱら……と水を掬ってはこぼし、掬ってはこぼし、を延々繰り返していた。
今日の噴水広場には彼女ひとり。観光客の姿も餌の配給係を散歩させている犬も、先日月子に求愛した青年の姿もない。

たったひとりで水を掬って流すだけだ。そのため彼女が町の様子がいつもとおかしいことに気が付くにはずいぶんと時間を要した。

「……あら？」

ふと噴水に何かが映ったように見えて周囲を確かめてみると、小さなカニが海辺に向けて走っていくところだった。
山と海に挟まれた町のこと、海に近いエリアに海産物がお散歩しているのはそう珍しいことでもない。しかし、今日のカニは象牙の甲に覆われていた。

「なんだかへんなカニちゃん……」

気になって水を掬って流す遊...]]></content:encoded>
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      <title>21 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/36803</link>
      <pubDate>Tue, 21 Oct 2025 00:36:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「試す……？」
「そう、ためしてみるの」

にや、と月明かりの下で人魚は微笑む。
ざざ、といやに波の音が大きく聞こえる。

「わたしが海に入れば泡になるわ。ライデンはそれで呼吸して陸に上がってね。そうしたら肺に咲く花が本物にあるか、おとぎ話か、わかるでしょう？」
「…………それは」

何やら尋常じゃない様子の月子から目を逸らし、礼典は必死で対抗策を考える。

「その方法だとツキコが花を見れないじゃないか」
「花が見たくて探してるんじゃないの」

にこ、と薄く開いた口元から人間以上に尖った牙が見え隠れしている。

「ねえライデン。もうどうなってもいい？」
「…………結局、どうして花を探してるんだ？」
「チキンちゃん言ってたんでしょ？浜辺の砂は人間の骨って」
「ああ」
「それなのに、町のみんな肺に咲く花はおとぎ話だって言うの」

ふい、と今度は月子が視線を泳がせた。

「それじゃあ人魚が人間を...]]></content:encoded>
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      <title>20 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/36802</link>
      <pubDate>Mon, 20 Oct 2025 22:20:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[ここがわたしのお気に入りのお肉スポット！と案内されたのはレストランでも肉屋でもなく、昼間に釣り人が糸を垂らしていた埠頭だった。

（夕方の商店街で人間捕まえて食べるとかじゃなくて良かった……）

日も暮れた埠頭にはまだぱらぱらと釣り人の姿が残っていたが、誰も人魚と非常食候補の新入りの奇行を咎める者はいなかった。

「ツキコは海が怖くないのか？」
「この辺りは全然へいき！」

泳げない友人は水を怖がって海にも川にも一切近寄らないというのに、海水に触れたら泡になって消える月子は平然とコンクリートの乾いた部分に釣り人が置いて行った折りたたみイスを開いている。

「それじゃあ肉焼くか」
「わたし生っぽいのが好き！」

礼典は駅前で仕入れてきた簡易セットを広げ、鉄板に肉を並べて火を点ける。その間に月子は早くも生肉をちょびちょびつまんでいる。

「…………墓の下にも花は無かった」

月子の取り分が焼け...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>19 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/36793</link>
      <pubDate>Sun, 19 Oct 2025 18:05:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[暫く経ち、墓穴の闖入者ふたりを連れ帰ることができる状態になった頃、ようやく礼典が動きだした。

「次ここに来たら奈落の底に沈めるからな。三人ともだぞ」

久しぶりに会った兄と空白の時間を埋めるには十分すぎる時間を与えられた彗は何ひとつとして言う事を聞かない青年に向けて悪態を吐くが、当の礼典青年は平然と受け流している。

「改めて挨拶には来るよ、イツクと一緒に」
「お供えもの何がいい？」
「兄ちゃん、そんなの要らないからおじさん以外の変態共も連れて帰ってくれよ」
「エレベーターが動かせると知ったら連中もそのうち出ていくっすよ」

やれやれと蜘蛛男はゆるくかぶりを振る。
基本的に仲間意識の薄い変態たちだが、利害が一致するとなれば流石に協力くらいはできる……はずだ。

「花ぐらいは持ってくる。ゼラに言えば見繕ってくれるからな」
「はいはい。それじゃあレモン味の飴でも一緒に供えてくださいな。中にゼ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>18 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/36758</link>
      <pubDate>Thu, 16 Oct 2025 00:31:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[自分の一族の墓に知らぬ間に『奴隷が回す棒』が設置されていることを知り慈は嘆くが、鳥乙女ララルノは猛然と墓石の周囲の藪の中を調べ始めた。

「……そのへんにあるのかい？」
「わかんない！でもお墓の周りだったよ」
「そっか。オレはもう少し墓から遠くを掘ってみるよ」
「ありがと！」

墓石から板塔婆を引っこ抜き、それをスコップ代わりに慈は墓の周りを調べ始めた。
相変わらず彼の表情は硬い。
自分で一族の墓を掘り返す真似は気が進まないが、変な小鳥に好き勝手されるくらいなら自分でやる、と言った様子だ。

「わたしもやる！」
「ダメだ。さっきも言っただろ。ガールズ、ツキちゃんの面倒見ててくれよ。おいおい小鳥ちゃん、その仏花はボタンちゃんがおすそ分けしてくれたやつだ、荒らさないようにね」

＊

一方、墓穴の下。
礼典は愛する月子に、蜘蛛男は愛する小鳥に再開すべく地下エレベーターを動かそうと試みていた。
...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>17 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/36474</link>
      <pubDate>Tue, 16 Sep 2025 23:11:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「そういえばアレどうなったのかな」


ちゅりり、と小鳥が鳴いた。


「アレって？」
「早贄？」


各々墓の管理と花の配達を終えてなんとなしに公園に集まっていた牡丹とゼラが揃って怪訝な表情を浮かべた。
だいたいララルノが唐突に、何事かを思い出したように、ぽんと言葉を発したくせに大して興味はなさそうにちゅりちゅり鳴いている時はロクなことにならないのだ。


「鳥、墓でイタズラかよ趣味悪いな」
「中の人の御迷惑になるわ」
「あそこ変態しか入ってないもん！迷惑じゃないよ！」
「わたしたちで探しに行きましょう？やっぱりご迷惑よ」
「そうだな。ほら鳥も片付けろ」


小鳥は不服そうにぷうぷう文句を垂れていたが、最終的にゼラにガツンと叱られ、他のふたりと同じように駄菓子のゴミをまとめて駅に向かった。

＊

「あ、なんか無性にムカついた」
「やめてくれよなんもないのに……」


礼典は帽子のつばに...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>16 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/35976</link>
      <pubDate>Thu, 21 Aug 2025 16:14:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[町の自治グループごっこに勤しむ害鳥により『ハンコみっつ』で奈落の底へぶちこまれた礼典青年は地上を目指し、墓穴送り仲間となった蜘蛛男と一時的な協力を取り付けた。
しかし、意図的に未成年喫煙、窃盗、変態行為の取り締まり強化事項のコンプリートを果たした青年と違い、蜘蛛男が墓穴送りになった原因は変態行為が累積した結果。同行者としてはあまりに不安が残る要素だった。
そのためこの場には姿こそ見えないものの、本来の墓の主――礼典の友人の弟、彗――も密かに同行していた。
尤も、彼が堂々とその場に居たとしても、礼典も蜘蛛男もどちらも幽霊など見えないため気が付かないのだが。
曰く「あんたたちがさっさと地上に帰って、変態を墓に放り込む迷惑な奴をなんとかしてくれたらそれでいいんです」とのことらしい。


「俺が『ハンコみっつ』でゴキゲンバードだったからな……もう遊びも終わって学校に行ってると思う。ダメだったとして...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>15 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/35112</link>
      <pubDate>Fri, 20 Jun 2025 00:05:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[次の電車など待っていられない。月子は沿線を走り竹林へ向かった。途中で道を逸れて藪の中に入り込む。
礼典が埋められたという怪物退治屋の墓の場所は知っていた。だから霊園を通るより道なき道を突っ走る方が彼女にとっては手っ取り早い方法なのだった。
今の月子はホットパンツにビーチサンダルという格好。すらりと伸びる青い脚が枝葉や草で切れて緑の血が流れるのに構わず彼女はずんずん藪の中を押し進んだ。

やがて唐突に視界が開け、ぽつんと粗末な墓とそれに寄り添う怪物退治屋が現れた。先ほど小鳥がゴキゲンで町の変態たちを埋めた墓穴とその主だ。


「退治屋くん！　チキンちゃん来てた？」
「みたいだね……さっき来てライデンを埋めてゴキゲンで帰って行った」
「掘り返しに来たの！」
「ダメダメダメダメ」


勢いよく墓穴に飛び込もうとした月子を慈が慌てて引き留めた。


「どうしてとめるの！」
「海に戻るのと墓に入るの...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>14 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/34957</link>
      <pubDate>Sat, 07 Jun 2025 15:11:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[そんなことより、と蜘蛛男は話を仕切り直す。


「あんた引っ越して来て早々、おれの小鳥に付き纏ってる新入りっすね？」
「鳥が俺について回ってるだけです」


礼典は首を振った。彼の目当てはあくまでセイレーンズの人魚の方であって喧しい害鳥ではないのだ。


「……アンタこそ、その小鳥が捕まえようと頑張ってた変態の親玉ですか？」


失敬な！と全裸の蜘蛛男はいきり立っている。その姿は誰がどこから見ても変態の親玉で間違いなかった。


「俺はツキコとデートがしたいだけで、別にあの鳥に興味は無いです」


それはそれで「おれのララルノに興味がないだと！」と蜘蛛は憤慨する。


（こりゃあ墓にぶち込まれるわけだ）
「……んで、あんたは何の用でおれを呼んだっすか？まともな人間が用事も無しに墓穴の中で叫ぶわけがねえっすよね」
「ここの本来の主に頼まれたんだよ、弟に優しくしてくれって」


嘘はついていな...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>13 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/34873</link>
      <pubDate>Sat, 31 May 2025 21:20:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[ご町内の変態共を一掃してすっかりゴキゲンのポリ公乙女が「そろそろ学校も行こっかな」とちゅりちゅり鼻歌混じりに商店街のパン屋でオヤツを買って外に出たところ、ばったり人魚の月子と出くわした。


「はろーチキンちゃん！」
「はろーツキコちゃん！」


お肉のパン食べる？とオヤツを分け合うセイレーンズ。仲良しのふたりのこと、月子が鳥乙女の機嫌が良いことに気が付くのにそう時間はかからなかった。


「チキンちゃんってばとってもゴキゲン！今日もだれか墓地送りにしたの？」
「ライデンちゃん！」
「らいでん？」


これには人魚もきょとんと目を丸くする。
なにしろ礼典と言えば、午前中に展望公園で会ったばかりだ。


「あと蜘蛛のおじちゃんも埋めたし、これでご町内の変態はいなくなったよ！」
「…………」


ぱた、と月子の手からお肉のパンが落ちる。


「うめたの……？」
「うん！これでご町内の平和は保た...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>12 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/34793</link>
      <pubDate>Mon, 26 May 2025 21:10:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[愛した彼女に告白するため、奇怪な町を東奔西走していたはずが、在住二日目にして墓地送りである。

がたがた電車に揺られて護送された一駅隣は町はずれの竹林の中に立つ寺院と、その周囲に広がる霊園だ。

ただでさえ静かな場所だが、今はララルノが逮捕した人間を片っ端から墓に放り込んでいる。
荘厳な空気どころか、なんとなく薄気味悪いものを感じた礼典は人の姿を求めて視線を巡らせた。

昨日のガールズの話によると友人の慈も暇さえあればここに来ているようだ。
半ば無意識のうちに礼典は友人の姿を捜していたが、先に見つけたのは慈ではなく鳥乙女のクラスメイトだった。


「ララルノちゃん？それにライデンさんも……どうしたんです？」


昨日は洋服を着て公園で遊んでいた牡丹だが、今日はきちんと着物を着付けて仏花を携えていた。


「それ、ゼラが配達してたヤツ……」
「はい。最近ララルノちゃんがお墓に人を放り込みまく...]]></content:encoded>
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      <title>11 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/34720</link>
      <pubDate>Sun, 18 May 2025 16:07:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[身支度を整え、しばらく待ってみたが鳥乙女が礼典のもとへ帰ってくることはなかった。
線路裏のコンクリート塀を見上げてみると不審者も既に去った後だ。


（帰るか……）


まだ昼過ぎだというのにドッと湧いた疲れに任せて身を屈め、階段のところに投げ出したままだった荷物と帽子を拾い上げる。
すると、鞄の陰に青年には見覚えの無いペンが落ちていた。

ラメの混じったピンク色のきらきらした本体に、キーホルダーがさがっている。
礼典が子どもの頃から雑貨店や文房具店に並んでいるような女児向けのボールペンだった。

砂や汚れはない。
長らく放置されていた落とし物ではなく、ついさっき落ちた物のようだ。

しかし小鳥が持っていたピヨピヨペンではない。


（さっきのドサクサで落としたのか？）


少し迷って、ポケットに入れた。
どのみち保護観察処分期間中は用事も無いのに寄ってくるのだからいつでも渡す機会はある。...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>10 - 月まで届け、42回</title>
      <link>https://munyamunya.kashi-hondana.com/author/page/2223/section/34591</link>
      <pubDate>Sun, 11 May 2025 22:31:00 +0900</pubDate>
      <description>一目ぼれした人魚ちゃんに告白するため42回折りましょう。心を。</description>
      <content:encoded><![CDATA[朝食のトマトサンドイッチが美味かったという理由で商店街のパン屋で昼食を済ませた礼典青年は駅舎の隣の細い路地から続く踏切を越えて、年季の入ったコンクリートの階段を降り、海岸を訪れてみた。

気温もまだ低く、遊泳禁止区域である、裏の海はこっそり泳ぎに来る観光客はおろか地元民の姿すらほとんどいなかった。

遠目には数人の釣り人がぼんやりと海面に向けて糸を垂らしているが、彼らが居るのは市場に近い釣り場の方だろう。それでもあまり釣れている様子はなかったが。

ぱっと目についた限り、この海岸に落ちているものは漂着したゴミか珊瑚の死骸か、小汚い貝殻か、それくらいのものだ。

観光客が喜びそうな珍しいものや綺麗なシーグラスに貝殻、そして人魚が求めている海の花は有りそうにもなかった。


（ハズレか……）


礼典はざりざりと靴の裏で海岸の粗い砂を掻いてみると、青年の靴の先で湿った砂に残る泡が弾けて消えた。...]]></content:encoded>
    </item>
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